アニメ・キャラクターグッズの企画担当者の方々にとって、ライセンスの取得や商品の製作は日々の業務の中でも重要な部分を占めています。そして、その中でも缶バッジは、昔から人気があり、今もなお需要があるアイテムです。しかし、現在では、ライセンシーの方々からは、缶バッジの企画を立てることが減ってきているという話も聞きます。そこで今回は、缶バッジの制作事業を15年手掛けるバッチリ缶バッジの制作担当が、「オリジナル缶バッジの企画を立てた方が良い」という理由を解説したいと思います。
理由その1: やっぱり缶バッジは・・・売れるから!
まず、缶バッジが人気なのかを調べてみると、Googleトレンドで「缶バッジ」というワードの検索ボリュームを2004年から2022年まで調べた結果、2000年代後半から伸び続けていることがわかります。2020年以降は、コロナの影響で検索ボリュームが増減していますが、全体的には伸び続けていると言えます。
また、グッズを販売する際に、トレーディング販売が一番効果的だとされています。そのためには、中の見えない銀色OPPなどで個別包装をして、どのデザインが出てくるかわからない仕様にして販売します。このトレーディングという売り方は、通常で売るよりも売り上げが1.5倍から1.8倍程度あがるといわれています。特にコラボカフェやタイアップのイベントなどでの販売力は爆発的であり、このトレーディングができるグッズは商習慣的にカードか缶バッジと言われています。アクリルグッズは販売価格が800円とちょっと高めなため、缶バッジのように300円~400円程度の商品がもっとも単価が高くトレーディングとしても成立するアイテムであると言えます。
これらのことから、缶バッジはやはり売れると言えます。
理由その2: アニメグッズの中でも缶バッジは利益率がいいから
次に、アニメグッズの中でも缶バッジは利益率が高いということも、オリジナル缶バッジを企画する理由の一つです。楽天で販売されている缶バッジの平均販売価格は416円です。一方、当社の安全ピン缶バッジを含めた、製品として販売する缶バッジの人気サイズである57mmのオリジナル缶バッジを1000個作る場合の製造原価は、製缶61円+個別包装10円=71円となります。
アクリルキーホルダーやTシャツとの利益率を比較してみましょう。
平均的なアクリルキーホルダーとTシャツの製造コスト、販売価格を考慮した利益率は以下となります。
【アクリルキーホルダー】
製造コスト185円、上代800円、卸率を51%とした場合 製造原価率・・・22%
利益率の平均・・・53%
【オリジナルTシャツ】
製造コスト950円、上代3400円、卸率を45%とした場合
製造原価率・・・29%
利益率の平均・・・41%
したがって、オリジナル缶バッジを販売する場合の利益率は66%で、アクリルキーホルダーやオリジナルTシャツの利益率よりも高くなることがわかります。
キャラクターグッズ担当者さんが今缶バッジの企画を立てたい理由
おわかりいただけましたでしょうか?以上のように、オリジナル缶バッジの企画を立てることには、売れるというメリットと利益率が高いというメリットがあります。キャラクターグッズの企画は並みいるライバル商品との戦いでもあります。制作しても差別化ができ、本当に売れるのか悩みもあるかと思います。実際にニーズがあるアイテムであれば、適切なマーケティング戦略を考えることで、売れる可能性は高くなります。
企画担当者の方々は、今後も市場のニーズを把握し、新しいアイテムを企画していくことが大切です。その際に、オリジナル缶バッジを制作することも、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。缶バッジはコストも安く、トレーディング販売もしやすいため、キャラクターグッズの中でも鉄板アイテムとして知られています。
ただし、市場には多くの競合企業が存在しており、単に缶バッジを作るだけでは差別化が難しいかもしれません。そこで、独自性をもったグッズであることが大切になります。独自性のあるキャラクターグッズ企画を採用することで、顧客に訴求力のある缶バッジを作ることができます。
ARの企画や、ものめずらしさのある缶バッジの仕様が求められることもしばしばですね。
缶バッジラインナップの中からぜひご検討下さい。
また、トレーディング販売をする場合は、どのようなパッケージングをするかも重要なポイントです。見た目がかわいく、購買意欲を高めるようなパッケージングを考えることが必要です。パッケージングにも工夫を凝らし、商品を魅力的に見せることが大切です。
最後に、オリジナル缶バッジを企画する際には、パートナーと言える制作会社を選ぶことも重要です。品質やデザイン力、納期などを考慮し、信頼できる制作会社を選ぶことが大切です。また、制作会社とのコミュニケーションも大切で、希望するデザインや納期などをしっかりと伝えることが必要です。特に納期では多少無理してでも柔軟に対応できる制作会社とのパートナーシップを持っておくことは販売後のリピート注文などがあった場合にはとても重宝しますね。
以上のように、アニメ・キャラクターグッズ企画担当者の方々にとって、オリジナル缶バッジを企画することが有効である理由を説明してきました。オリジナル缶バッジは、売れる可能性が高く、利益率も優れているため、企画することにメリットがあります。また、競合が多い市場において、独自性のある企画を作ることが重要であること、トレーディング販売をする場合は、パッケージングにも工夫を凝らすことが必要であること、制作会社選びとコミュニケーションの重要性についても触れました。
アニメ・キャラクターグッズ市場は今後も拡大が見込まれています。顧客にとって魅力的なアイテムを提供することが求められる中で、オリジナル缶バッジは、コスト面やトレーディング販売に適していることから、重要なアイテムとして位置付けられることでしょう。是非、今後のグッズ企画においても、オリジナル缶バッジの制作を検討してみてはいかがでしょうか。